「残留放射能・内部被ばくの影響なし」といったことはない・・・放影研理事長

 きのう、放影研被爆者団体からの公開質問状に対する回答を行う場が持たれました。
昨年12月放影研が発表した「残留放射能の影響について」というコメントや、黒い雨のデータを巡って行われたシンポジュームでの理事長の見解などについて、被爆者団体が公開質問状をだしていたものです。
 「放影研は、10㎞以内で被ばくした10万人を対象として追跡調査を行っており、それ以外の遠距離被ばくや黒い雨の被爆者の健康リスクについてはわからない。残留放射能や内部被爆について、有為な調査ができないと判断して、断念したものだ」
 認定外の黒い雨の被爆者のみなさんが、体験と病歴を訴えますが、影響がなかったとは言えないとしながらも、データがないと退けました。
 また、原爆症認定制度検討会の委員が、放影研が、残留放射能や内部被ばくの影響はないといっているという指摘に対して、「残留放射能や内部被ばくの影響はないといったことはない。」という回答を繰り返しました。
 「福島の原発事故に対して、放影研として何も示すことはないのか」という福島から避難されている女性の問いに、「放射線量によるリスクをしめす基準は、放影研の調査から導かれたもので、国際基準だ。福島原発事故でも適応されている」と言い切ります。
 調査をしていないといいながら、残留放射能や内部被爆の影響で、判明しているリスクが増えるものではないとする態度が、原爆症認定を求める被爆者や黒い雨の被爆者を切り捨てる根拠にされています。
 それが、福島の原発事故被ばく者の不信をまねいています。
 原爆・放射能の人体への影響について得られた知見は、調査に応じてきた多くの被爆者の願い「二度と被爆者を生んではならない」ために、生かしていかなくてはいけません。