本当に学童保育の課題解消できるの?国会質問からも心配に

来年度から始まる子ども・子育て支援新制度に合わせて、秋までには、広島市学童保育(広島では留守家庭子ども会)の基準を条例化します。
国から、以下の基準が示されているといいます。
1、対象6年生まで 2、定員40名 
3、1人当たり面積 1,65㎡ 4、指導員2名体制
 昨年度5月時点で、広島市の50人以上の子ども会は、22か所。今年度55人を超える11教室の増設をプレハブなどでおこないました。しかし、児童館や空き教室が確保できないからとして、初めて6学区で民間事業者の募集をおこないました。しかし、これらの計画は、昨年秋の予想からはじき出したもので、すでに予想が狂ったところもあります。
 中区では、白島や本川学区で、新1年生の予想以上の入会希望者があり、これまで利用できていた3年生が、退会を余儀なくされました。臨時入会やランドセル対応など児童館と連携して、対応してもらえることになりましたが、進級を前に保護者のみなさんの不安は、大変大きなものでした。
 また、指導員労組の話では、新規募集をしても、予定人数を採用できない事態になっているといいます。年収200万円以下で勤務終了時間が遅いという条件が敬遠されるのではないかと話されました。
 基準どおりに課題が解消されるためには、国が教室を整備するまた、指導員の身分保障するための予算を抜本的に拡充することが、欠かせません。
 しかし、自ら示した基準も、実施するかどうか自治体任せだったり、指導員が確保できなければ、児童館事業と一緒でもいいというような国の姿勢は、無責任としかいいようがありません。
 加えて、広島市は、これまでの公設・公営・無料の原則を崩していこうとしています。学童保育の整備や運営を安上がりに済ませようというのでは、子どもの豊かな放課後は保障できないし、保護者の信頼も得られないのではないでしょうか。
 

しんぶん赤旗(4/7)から
現在、小学校低学年の児童の4人に1人が通っている学童保育。ところが、これまで、正式な設置・運営基準がなく、厚労省は昨年12月にようやく基準案を発表しました。日本共産党の高橋ちづ子議員は2日、衆院厚生労働委員会で、現場の声にこたえた学童保育(放課後児童クラブ)の設置・運営基準づくりを行うよう求めました。

面積・運用基準

 基準案では、児童1人当たりの専用区画は約1・65平方メートルです。高橋氏は、専用区画には、トイレや事務机などを含めない、あくまで子どものための専用スペースとすべきだと主張しました。厚労省の石井淳子雇用均等・児童家庭局長は「少なくともトイレなどは含まない方向で検討したい」と答えました。

 児童およそ40人を支援単位とした運営基準にも懸念が広がっています。

 高橋氏は、実際には71人以上のクラブが1371カ所あり、都内では待機児も生まれていると指摘。「(基準案で)せっかく小学6年生まで対象を広げたとしても(定員オーバーで)実際には受け入れできないということにならないか」と迫りました。石井局長は「支援の必要な小学生が利用できるよう整備を進める」と答えました。

 高橋氏は、面積基準や運営基準が自治体の「参酌基準」となっていることを指摘し、「実態に追いつかないからと、低い水準にあわせたり、自治体まかせにすべきではない」と強調しました。

都市部での動き

 児童40人ごとに指導員を2人(うち有資格者1人)おくよう定めた指導員の配置基準も、「利用者の支援に支障がない場合」「併設する施設の職員等が兼務可能な場合」などの例外規定が設けられています。

 「併設する施設」の具体例を問われた石井局長は「児童館での対応などがありえる」と答弁しました。高橋氏は、都市部では、児童館など全児童を対象とした事業に学童保育を統合しようという動きがあることをあげ、「(学童保育の指導員が)足りないから、(全児童対策事業と)一緒にしてしまえという動きを促進することになる」と批判しました。