被爆地ヒロシマの市長よ。平和宣言の立場を政府にはたらきかけるべきです。

 「慎重議論を」広島市長批判 集団的自衛権「合意」


中国新聞朝刊より    14年6月26日

 「広島市松井一実市長は25日の市議会本会議で、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認について、「国民が納得できる手続きが必要。慎重に議論するべきだ」と述べ、閣議決定案に大枠で実質合意した与党の姿勢を批判した。一般質問に答えた。

 松井市長は行使容認の議論を「憲法9条に定める平和主義の根幹に関わる。歴代内閣の解釈を変更することになりかねず、極めて慎重に対応するべきことだ」と指摘。さらに「(解釈変更ではなく)立憲主義の観点から憲法改正で慎重に議論を進めるべきだ」と強調した。

 本会議後には、記者団に「そんなに急ぐ必要があるのか。これまでの解釈が平和な日本をつくり上げてきたという重みをかみしめてほしい」と話した。」

集団的自衛権行使容認への自公政権閣議決定を前に、被爆ヒロシマの市長の答弁は、注目されました。
 固唾をのんで聞きもらすまいと構えていましたが、それこそ、慎重に言葉を選んでの答弁は、結局どうなの?と突っ込みたくなるものでした。
 再質問に、市民局長が「平和主義は大事だ。」と答弁しました。
それにしても、歯切れが悪い。
 というのも、昨年の9月議会で、わが党の中原議員の「集団的自衛権」についての質問に市長は、明確な答弁をしています。
「歴代の内閣において、「我が国を防衛するための必要最低限度の自衛権行使の範囲を超えることから、平和主義を掲げる現行憲法下では許されない」との解釈を維持されてきています。現在の平和な日本があるのは、こういった解釈を踏まえた外交政策が展開され、また、それを多くの国民が支持してきたからであると考えており、そのこと自体を重く受け止めるべきであると考えています。」

被爆ヒロシマの市長として、憲法の平和主義についてどう考えるのか?
[私は、今年の平和宣言において、現行憲法の平和主義を大切にする立場から「広島は、日本国憲法が掲げる崇高な平和主義を体現する地であると同時に、人類の進むべき道を示す地でもあります。」と訴えているところです。」

9条改憲をねらう国に対しての態度は? 
「国に対しては、今後とも、憲法99条に規定する憲法擁護の義務を負っているものとして、憲法全文において、日本国民が全力を挙げて、崇高な理想と目的を達することを誓っていることを踏まえた対応をするよう求める立場を維持していきたいと考えています。]
 
 解釈改憲・行使容認以外の人とは、立場や党派を超えて共同して、閣議決定を止めさせないといけないと思いますが・・・。
 自公から応援されている市長とはいえ、被爆ヒロシマの市長としての信念を堂々と語られるべきです。
 
 さて、長崎市は、平和宣言に集団的自衛権に対する立場を盛り込むと聞きます。戦争につながる動きが加速する今、広島市の平和宣言が問われます。