どうなる!?広島市第6期介護保険料

今、広島市は、2015年から3年間の第6期介護保険事業計画を策定しています。
この計画も含めて、高齢者施策推進プラン案への市民意見を16日まで受け付けています。

医療・介護総合法で、要支援1,2の高齢者を介護保険給付から自治体事業の新総合事業へ移行するなど、制度始まって以来の改悪がおこなわれました。
昨年12月17日に行われた特別委員会では、新総合事業への移行は2017年からとし、それまでにボランティアなど多様な受け皿の整備をするとの考えをしめしました。
町内会の加入率の低下など地域の力が落ちているときに、受け皿が確保できなければどうするのかとの問いには、今までどおり高齢者の介護は保障すると答えました。
しかし、国は、今後、要支援など軽度者の半数をこのボラ頼みの安上がりサービスへ押し込む考えで、予算の伸びを抑制する圧力をかけるようです。
結局、高齢者は、「保険あって介護なし」に追い込まれ、自治体も、板挟みにされてしまうのではないでしょうか。

さて、今、問題になっているのは、介護保険料です。

広島市は、現行の基準月額5537円を500円前後増やす見込みを示しました。
不確定要素があるので、はっきりした金額がしめされませんでした。

年末、厚労省は、消費増税10%が先送りになったので、低所得者14万人への保険料軽減に1300億円の予算を見込んでいましたが、軽減を縮めるとしました。

報道では、1と2階層の軽減率現行の5割を7割に拡大しようとしていましたが、5,5割に、わずか0,5縮減するとか。あと二つの階層も5割3割と軽減する予定でしたが、これは「なし」になるようです。

「介護オブズマン」氏は、ブログで「やるやる詐欺だ」とコメントされていましたが、まさにその通り!
国が勝手に10%増税を前提にしていたわけで、所得の低い層の市民は、消費税8%増税でも青色吐息です。
市担当者も「せっかくの朗報だったのに」と嘆いていました。

「持続可能な制度にしていくためには、低所得者への保険料軽減が必要だ」
市当局も保険料軽減拡大の必要性は、認めているところです。
これまで一般財源は、減免に使えないとしてきましたが、国の示す軽減策では、市の一般財源を1/4投入する仕組みです。せめて、国がやるまで、当面、本市が拡大すべきではないでしょうか。

保険料の算定には、介護報酬の引き下げも大きく影響します。今日の新聞は、2%台で調整かと報じました。
介護給付予算の縮減が見込まれ、保険料の高騰を抑えられるのですが、単純に喜んでいいのでしょうか?
特養など社会福祉法人には、内部留保がある、中小企業の利益率より高いなどとして、財務省あたりから引き下げ圧力が強められてきました。
しかし、3割が赤字であることや改築などのために貯めてあることなどからすれば、減収で今後の経営に重大な影響を及ぼすことになります。
処遇改善予算は確保したといいますが、報酬引き下げの報道をうけて「また、給与引き下げだ」と介護の労働組合の役員さんでさえ言われているのです。その上、広島市は、来年度から本市独自の職員給与改善費2%を廃止しようとしていますから、ダブルパンチになるのではないでしょうか。

朝日新聞より
今でさえ、職員定数に満たないために、つねに求人が2倍以上という介護職員の処遇改善にも水を差すことになります。

持続可能な介護保険制度にするためには、払える保険料と良質な介護サービスの提供が不可欠です。
同時に事業者の経営安定と介護職員の待遇向上は、きってもきれません。
国は、そのために財源が必要と消費税を増税しておきながら、この間法人税が減税されて、穴埋めにしてきたことを一体どのように説明するのでしょう。

しかも、まだ、懲りずに、2年で3,29%の法人税引き下げとは、開いた口がふさがりません!
そうした意味でも、来年度予算の閣議決定がおこなわれるという14日が注目されます。