日本イコモスが「かき船移設計画に待った!」原爆ドームにふさわしくないと懸念表明

1月29日、日本イコモスが、世界遺産原爆ドームのバッフアゾーン内にすすめているかき船移設計画について、懸念を表明しました。


http://www.japan-icomos.org/pdf/牡蠣船移動設置への懸念表明.pdf

声明を読んで、これだけ指摘されれば、広島市として恥ずかしくて世界に顔向けができないという感覚をもちました。

その①
原爆ドームのバッフアゾーンは、単に景観を整えるだけではなく、「鎮魂と平和の祈りの場」にふさわしいものでないといけない。そもそも、なぜ、世界遺産に指定されたかわかっているのか。
世界遺産登録基準鄽 歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。)

その②
2006年にもマンション建設をめぐって景観を損なってはならないという勧告が出されて、今回イコモスから二度目の指摘を受けているということをどのように受け止めているのか。

その③
周辺には、市民の手でたくさんの慰霊碑などが設置されており、こうした市民や被爆者の声をしっかり聞いたのか。

最後に、外国からの観光客を呼び込むにも、これらの懸念をクリアーする世界的な視野とか多角的な国際感覚がなくてはならないと指摘しています。
市長は盛んに「迎える平和」を唱えていますが、そもそもの基本姿勢が欠けていると言われているのに等しいことです。

被爆地の市自らが、悲惨な原爆の歴史を語り継ぐ原爆ドームの価値を低めるなど言語道断ではないでしょうか。