中国地方整備局河川課に申し入れ、「かき船移設工事の許可をしないで」

元安川上流、原爆ドーム200mへのかき船移設問題です。
昨年11月末、移転予定地への占有許可が出されました。
1月末、業者より中国地方整備局へかき船移設工事の申請が出されています。
今日は、市議会の有志で拙速な許可をださないようにと申し入れを行いました。

あらためて、かき船の占有許可を出した経過を聞きました。
治水上の理由から、現在地からの移転を国は業者にもとめていました。
本来船を係留させるのは、決められたマリーナなどの係留地だけであるとしています。

2年前、業者より今問題になっている予定地に移設したいと申し出があったといいます。
市も了解してのことです。そのため、粛々と手続きを行ったとしています。

河川の占用許可などに当たっては、地域の合意を得ることが求められています。
ここが不十分だったから、今、問題が大きくなったのだと思います。

国は、「水の都づくり協議会」で承認されたことをもって、合意が得られたと判断したと回答しました。
現在、被爆者団体や市民グループが反対の声を上げているのは、合意が得られたと言えないのではないかと認識を問いました。
意見は太田川事務所に伝えるとして、国は、明言を避けました。
国は、治水上の判断をするのが仕事で、地域の合意や景観などは、市の考えることだというスタンスのように受け取れました。

しかし、そうでしょうか。
ヒロシマを訪れた人々からは、川と緑の美しい水の都だと感嘆の声があがります。
河川の管理者である国も護岸の整備などに力を尽くしてくれたからです。

国が現在管理する元安川には、忘れてはいけない記憶があります。
かって幾万の被爆者が水をもとめて飛び込み、無残な最期を遂げました。
この負の遺産を後世に伝える原爆ドームを中心にした元安川の景観も、ヒロシマを訪れた人々の胸に深く刻まれてきたはずです。

水の都ヒロシマは、平和記念都市であることを忘れてはいけません。