かき船移設、マンション住民が市に抗議!


かき船建設工事が「粛々」と進められています。
河川敷のさくら3本も切られ、船の本体工事が本格化しています。
被爆者団体や原爆瓦を拾って活動をしてきた平和ゼミの関係者など市民が会をつくって、「待った」の声を上げたにも関わらず、市は、「法律に沿っている。みなさんと意見が違う」と平行線です。

28日、今度は、工事現場の目の前のマンションの住人が、抗議書を携えて市に申し入れをおこないました。
移設についても工事についても何の説明もないにもかかわらず、工事が始まったことに加え、
刻々と変質していく原爆ドームのバッフアゾーン内の景色に、平和都市ヒロシマにふさわしいのかと怒りをぶつけました。

このマンションは、バッフアゾーン内の高さの制限を設けた景観条例で、建て替えの際は、階を低くするようにと市から指導されました。近接する旅館も同様に景観への配慮をもとめられて従ってきました。
「近隣地域へはこうした制限をかけながら、なぜ、一業者のためにその制限を取り払い、国や県や市が一緒になって推進するのか?」当然の疑問です。

しかし、こうした事を聞きたいと説明会をマンション住民が求めていたにも関わらず、いまだ実施されていません。
ある朝突然、河川敷を掘る騒音で工事の開始を知らされるという始末です。
さらに、その後「考える会の公開討論会へ参加してください。説明します」という市からのチラシが、郵便受けに入っていてなんという手抜きかと怒りを広げています。

「マンション住民は、河川法による地域の理解をえる対象ではないのか」
市は、「水の都推進協議会」の合意を得たので、河川法はクリアしているまた、関係する地域には、町内会長に説明したとこれまた平行線です。

この間の観光行政によるバッファ―ゾーン軽視の姿勢から端を発し、平和記念都市の在り方も手続きさえも無視する形で進んでいます。なぜ、こうも「粛々」と進めていけるのか、市行政の在り方が根本から問われています。