「子どもたちへ国民健康保険証取り戻した」  これが親のモラルハザード引き起こした!?

今日の新聞に気になる記事がありました。
厚労省国保滞納者への調査結果が報じられていました。
それによると、子どものいる世帯がいない世帯より滞納が多いというんです。

高すぎる国保料払えず滞納し、保険証をとりあげられた子どもたちが病院にかかれず保健室で手当てを受ける、「子どもの貧困」として大きな問題となり、ついに国を動かし、無慈悲な保険証の取り上げを止めさせました。


この記事は、こうした保険証取り上げやめさせたから、モラルハザードを引き起こし滞納者が多いといわんばかりです。
所得とか家計の比較などそれ以外の要因はなかったのでしょうか。


派遣村のとき、貧困が可視化され、社会的連帯を生み国民的反撃が始まりました。これが、政権交代の原動力にもなりました。
今、その民主党が先祖返りをして自民党と変わらなくなり、国民各層に「自己責任」を押し付けています。


今、非正規労働者が多い若い世代は教育費に、お年寄りは医療や介護などに対して、その負担能力を大きく超えた自己負担が求められています。
自己責任だからと歯を食いしばってがまんしている年配の世代から、給食費などを滞納する若い世代へ厳しい視線が注がれています。
とりわけ、お年寄りいじめの医療制度や重い介護利用料への不満が、民主党子ども手当が支給される若い世代に向けられています。

健康で文化的な最低限度の生活の保障は、国とか行政に責任があるという思想が定着していないとつくづく感じます。
これがきちんと国民のものになっていないから、お年寄りと若い人たちが敵対させられるし、国や行政の責任が後退していても仕方ないとあきらめるのではないでしょうか。
(財政危機論での脅しも効を奏しています。)

「どういう理由であれ、生活に困り、食えなくなった人が死んでしまう、それを見過ごす社会でいいのだろうか」この点をめぐるしっかりとした議論が必要であり、その思想を社会の定着させていく運動の成熟が求められている。
数日前の赤旗「朝の風」欄です。

孤立しバラバラにされた人たちを連帯させるカギは、自己責任論とたたかい憲法25条を根づかせること。
それを望まない勢力との綱引きです。

正しいはたらきかけが行われれば、人間のもつ共感力がはたらくことを信じて・・・。