「二度と同じ悲劇を繰り返してはいけない」被爆者の声を受け止めて


8月5日 核廃絶の女性の集い
「二度とふたたび悲劇を繰り返していけない」との被爆者の思いに応えて、いま、世界で核兵器の廃絶を求める動きが大きく広がっています。12月には国連総会でも核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議が130の国々の賛成で採択されました。5月のNPT準備委員会では、スイスをはじめ16か国が核兵器の非人道性を告発したアピールをだしました。「核兵器のない世界」をもとめる被爆者を先頭にした原水爆禁止の声が世界にも響きつつあることをあらためて確信しました。


この間、核兵器廃絶をテーマにした新聞記事がさまざま掲載されましたが、女性の研究者や記者の奮闘ぶりに脱帽しています。
 中国新聞では、九大の直野章子さんが、被爆体験の継承を説きました。被爆者の体験を聞き取る活動を行ってきた研究者と聞きます。被ばくの実相を矮小化し、補償も狭める被ばく者行政を断罪されました。
 同じく中国新聞に掲載されていた長崎大の中村桂子さんは、被爆国日本が米の核戦略に追随する矛盾を告発します。
 先日の被団協との懇談の場では、共同声明をだした16か国に、日本も参加すべきだと主張されていました。あらためて、核廃絶の障害になっている核の傘にしがみつく日本政府の異常さが際立ってきました。
 最後に、毎日新聞の加藤小夜記者は、「被爆国を名乗るな」とまるで、被爆者になり替わって訴えました。
 黒い雨の地域拡大に背を向け、被ばく者を切り捨てる被爆国政府へ怒りをぶつけた若さあふれる記事でした。この思いが、厚労省の取材拒否に果敢に抗議するその姿勢につながっているんですね。
 6日の夜、放送されたNHK「黒い雨〜活かされなかった被爆者の調査〜」は圧巻でした。
 ABCCが、黒い雨にあったという13000人のデータをもっていたのに、被爆者のために活かされてきませんでした。黒い雨などによる残留放射能の影響を研究することは、「原子力の利用の妨げになるから研究しなかった」という当時の米原子力委員会の委員の証言を得ています。
 この番組の協力者に広島平和研究所の高橋博子さんの名がしるされていました。
 二度とふたたび悲劇を繰り返していけない」との被爆者の思いに応えた30,40代の女性たちの活躍に目が離せません。
 平和な未来を切り開くのは、若者と女性たちかもという予感にわくわくします。