生活保護世帯の子どもたちへの学習支援事業

学習支援事業の教室にお邪魔しました。
他の市が民間委託をしている中で、公営の広島市初の事業です。
生活保護ワーカーやスクールソーシャルワーカー、教員との連携を取ってそれぞれの子どもを支援できるのが、最大のメリットのようです。
困難を抱えている家庭支援の中の学習支援であり、単なる塾のかわりという考えではできない事業です。
木曜日と土曜日、主に土曜日が中学生。
30名を超える子どもたちが登録しているそうですが、今日は11名の参加でした。支援員の先生からマンツーマンで教えてもらっています。
朝9:30〜12;30まで休憩を入れながら、ドリルをしたりプリントをしたりしています。
今日は、月曜日から高校入試ということで、英語のリスニングの模試をやっていました。模擬面接もいろいろアドバイスをもらいながら受けていました。

月曜日に入試を受ける男の子は、2年生まで非行傾向にあり学校に行っていなかったといいます。ケースワーカーも教員もかかわる中、ここにきて見違えるように成長したといいます。「入試さえ成功すればいうことはないのだが」と話されていました。
さまざまな方が先生になられて「子どもたちと学びあえるので楽しい」と口々に言われます。

生活保護では、高校入試の費用は、公立1校分しか出ないといいます。私学に入学しようと思えば、入試費用から生活福祉資金を借りなくてはいけないとか。
「公立に行けなければ、高校にいかなくてもいい」といわれる保護者を説得されるのも一苦労のようです。
生活保護世帯の子どもの高校進学率が、そうでない子と比べて低いと聞いたことがあります。
(平成21年広島市高校進学率 非保護世帯91%、保護世帯62%)
貧困の中で育つことは、夢や希望の芽を摘み、生きる意欲がそがれていくといいます。せめて、高校進学率を他の世帯の子と同じにすることはできないのか。
受験競争を肯定したり、受験勉強を強制するわけではありませんが、教育の機会の平等も、貧困の連鎖を断ちきるための条件のひとつではないかと思います。
公立の中高一貫校の「目標・国立大学に○割入学」というより、よほど公的機関のめざすにふさわしい目標ではないでしょうか!