12月議会厚生委員会 国保条例改正反対討論

国保条例改正に反対します。
 国保は、国保法第1条で社会保障と明記し、国に財政責任をもとめ、自治体に運営の責任を課しています。高齢者や無職者などが半数以上を占め、加入者の7割が年収200万円以下という中で、文字通り医療制度の命綱です。国が財政責任を後退させるなかで、これまで、広島市は、市民の声・議会の声を聞いて国保について、広島市独自の政策をおこなってきました。
象徴的なのは、2008年、保険証がなく手遅れになってなくなるという悲劇が報道されました。こうしたことを繰り返してはいけないと滞納者への保険証の取り上げはやめました。窓口で10割支払う資格証の発行を控えたのです。
また、昭和40年台から、窓口の負担が重い・医者代がはらえないという低所得者への減免制度をおこなってきました。全国から視察に訪れる広島市の窓口での減免制度を国が見習って、減免制度を全国に広がっています。
しかし、「市民の命綱だ。本市独自に守る」という立場が大きく崩れようとしています。昨年の事務事業見直しで、国が示した低い基準に合わせるといって窓口での負担減免制度を災害などで、家計が急変した世帯のみを対象にするなど大きく後退させました。
全国で、算定方式が所得方式への切り替えが進む中で、最後の最後まで市民税方式をとってきたのも、「市民の命綱だ。本市独自に守る」という立場にたってきたためです。
今回、算定方式を変更するという国の動きに従い、低所得の社会的弱者の世帯に重い負担を課すようなことは、これまでの本市の立場を投げ捨てる事であり、議会での議論とも矛盾するものです。到底認められません。
また、高すぎて払えない滞納者が増えることも予想されます。滞納者への差し押さえ禁止財産を狙い撃ちした全額差し押さえは、違法だという判決が確定しても、誤りはないと強弁されています。差し押さえで市民を脅して、生活を困窮させるような国保行政をもはや福祉行政とはいいません。これから、県単位化など広域化の動きも強くなってきますが、広島市が「国保は、市民の命綱だ。本市独自に守る」という立場にたたないかぎり、市民の命も健康も守れなくなります。議員のみなさんには、市民の立場に立って判断してきたこれまでの議会の努力に反することを申し述べて反対の討論とします。