土砂災害から5か月、最終検証報告をうけて。

昨日は、土砂災害避難対策等検証部会からの報告をうけて、市議会全員協議会が開かれました。
有識者による検証部会は、避難勧告が遅れたことなど避難体制について、適切な対応ができなかったが、現在の地域防災計画のマニュアルでは、やむをえなかったとする最終の検証結果をまとめました。

「土砂災害の危険地域とは知らなかった」
「どうして早く避難を呼びかけなかったのか」
あの日、突然の土石流になすすべもなく、命からがら避難した住民から言われた言葉でした。

今回の報告書は、広島市の土砂災害を検証する初めてのものでした。
避難や対処法が、近年の夜間の激しい気象変化に対応するマニュアルでなかったことは明らかです。
今回の検証では、災害弱者の避難についても、対象者を狭くしているため被害がなかったとされて、議題にもなっていません。
また、広島市の避難対策に限定され、国や県の事業に関することも外されました。
住民からすれば「適切ではなかったが、やむを得なかった」という結論で終わっていいのかという思いではないでしょうか。

今回、次期市長選挙への出馬表明をおこないました。
この流れの中で、市長は「74名の市民の命が犠牲になったことを反省している」というようなことを述べました。
私の記憶では、初めて正面から向き合った答弁を聞いた気がします。
しかし、こうした政治的なメッセージは、もっと前に、何のために検証するのかを語るときに発するべきでした。

出馬表明するためのポーズではないと思いたいところです。