かき船移設問題の再考をもとめます!


先週日曜日、かき船移設を考える会が結成されました。
平和大橋から下流にあるかき船は、国から、治水上水の流れない区域への移設をもとめられていました。
昨年12月、原爆ドームから200メートルの地点への移設を計画していることがわかりました。広島市が承認し、国が許可を与えたものです。
これに対して、原爆遺跡を保存を求める会や高校生の平和学習に取り組む団体などから、「慰霊の場に酒席はふさわしくない」と声があがり、12月議会で、市議団として村上議員が質問をおこないました。
市の答弁は、「原爆ドームの価値を下げるものではない」というものでした。

 今年になって、世界遺産の保存などに取り組むユネスコの諮問機関である日本イコモスの委員が、広島市を訪れ「平和を願う場として精神性を低めるもの」と再考をもとめる記者会見をおこないました。「世界遺産としての価値を損なう恐れがあるとされたら、世界遺産の登録も抹消される」といいます。
 それに対して、市長は記者会見で「委員の個人的な価値観に基づくもの」と一蹴し、「問題なし」という態度をあらためて鮮明にしました。
 それこそ、市長の個人的な考えならまだしも、被爆地の市長の価値観としてふさわしいと言えるのかが問われています。

当日は、会場に入りきれないくらいの参加者が集まり、幅広い立場の人がスピーチを行いました。「平和公園と対岸は、一体ではないか」「アウシュビッツには、飲食などお店自体ない」などさまざまな意見がだされました。考える会は、2万人の署名を集めて、再考をもとめることを呼びかけました。
河川法は、改正されて周辺住民の意見を考慮するという文言が入ったといいます。
広島市は承認しましたが、市民から異議申し立てが出されようとしています。
国と市が勝手に決められることではありません。
せめて、立ち止まって耳を傾けるべきではないでしょうか。