納得がいかない!

昨日の市議会文教委員会で、五日市の給食をこれまで担ってきた広島市給食センターではなく、民間企業にゆだねるための15年間83億円の債務負担行為が賛成多数で議決されました。 
 

 私は、一体、子どもたちの給食の何がよくなるか、後退したり、企業の儲け口にされる心配があるのではないかと指摘してきました。
 これまでも、市の施設ではなくなるため国の基準の栄養職員の配置ができなくなり、現在6名いる栄養職員がゼロになり、食育の後退につながると問題にしました。
 

 また、今回初めて、委託する民間企業が野菜などを独自に調達し、納入する仕組みを認めます。
子どもたちの給食費から、民間企業へ利ザヤを認めるのかと問題にしました。
民間企業は、生産者から直接安価に仕入れることが想定されます。
しかし、これまでの納入業者と同じように市価で納入することから、差益が生まれます。
そもそも、食材費は、給食費です。食材を安く仕入れれば、給食費に余剰ができ、
これまでも、献立の充実などで子どもたちに還元してきました。
給食費は保護者の負担や税金であることから、成り立ってきたこれまでの仕組みを無視するものです。

教育委員会は、差益かどうかわからない、差益が出て何が悪いかと言わんばかりでした。

公募して選定された事業候補者は、広島駅弁の子会社(仮)広島アグリフーズです。
広島駅弁は、安芸高田市で、市とJAと3者で出資した第三セクターの農産物加工会社を運営しています。
生産者と連携し、規格外の野菜をカット野菜として、また加工し惣菜にして販売する6次産業の取り組みで、高い評価を受けているそうです。安芸高田市給食センターの調理委託を受け、野菜なども納めています。
学校給食の農産物は、地元産で9割以上をまかなっているようです。


だからと言って、生産地も少ない広島市で、第三セクターでもない民間企業に、
学校給食を完全に丸投げするのはなぜでしょうか。

地産地消がすすみ、雇用が生まれ、税収が増える。」
最初から、安芸高田市の事業の販路となり、この企業にやらせたいという結論ありきではないでしょうか。
そこには、経済的な利益を優先し、よりより学校給食のために何が大切かという視点は全くありません。


他の都市では、当たり前にやられている給食提供形態をていねいに検討した報告書もありません。
教育委員会事務局は、優秀です。
他都市の事例を本気で調べれば、民設民営方式では、県費栄養士の配置がないことがわかるはずです。
また、給食のプロなら、安芸高田市給食センター第三セクターでないことも気付くでしょう。
最初から、これは、自分たちで調べて積み上げて出した結論ではないなという印象を受けていました。


過去、可部給食センターの調理委託の時は、給食をよくする検討会がつくられ、配送時間の短縮や献立の改善も一定おこなわれました。私は、民間委託に反対の立場ですが、当時の教育委員会は、自らが知恵を絞り、汗をかいていました。


今回の結論ありきの杜撰な姿勢では、とても納得できませんね。