大丈夫⁉ 放課後児童クラブの利用時間の延長

11月21日の市議会文教委員会で、放課後児童クラブの時間延長について教育委員会から提案がありました。
現在、放課後児童クラブは、夏休みなどの学校休業中、8時30分から18時30分まで開設しています。今回の提案は、朝は30分早めて8時から、夕方は19時まで30分開設を延ばそうというものです。
市が保護者に時間延長について希望を聞くアンケートをとったところ約1300人から回答がありました。そのうち約1000人が朝の延長を希望し、約400人が夕方の延長も希望したといいます。これまで、保護者から勤務の実態に合わせて延長してほしいとい声がでており、それに応えたものです。しかし、市の提案に対して、保護者の皆さんも不安になる二つの問題があります。
  一つは、延長を利用する保護者は、延長時間の利用料金を払うというものです。まだ金額は示されていませんが、他都市では1カ月2000円からという例があるようです。そこで出されている心配は、利用料金を払っていない子と払っている子への対応をどうするのかという問題です。今でも、開所時間の8時30分より前にクラブに来ている子どもがいます。もし、利用料金を取ることになれば、延長料金を払っている子は、施設に入れるけれど、利用料金を払っていない子は、入れないという対応をとるのかということです。日本共産党藤井敏子議員の質問にたいして、他都市でもそうした対応をとっていると答弁しました。利用料を払うのは保護者ですが、利用しているのは子どもです。格差をつけることで、子どもの心を傷つけないかと大変心配です。
 二つ目には、指導員のなり手不足の中で、受け入れ体制が本当にとれるのかという問題です。この間、指導員を募集しても応募が少なくてなり手がいない、慢性的な欠員状態のため臨時職員で補っています。昨年度は、5回に分けて160人募集をしましたが、応募したのは123人、採用できたのは78人です。指導員は、保育や教育の資格が必要ですが、5時間半の勤務時間で14万円の報酬が支払われる嘱託職員です。待遇の低さとともに夕方の勤務終了時間が他の職種と比べても遅いことも指導員のなり手がない一因だともいわれています。30分の延長勤務に対して800円の手当を検討するといいますが、これでも夏休みの1か月で最高2万円に満たない手当です。
 今回の委員会で、藤井議員が「指導員は納得しているのか」との質問に対して、教育委員会は「合意していない」と答えました。時間延長に対応する指導員との協議が十分でないのに議会に案を出すというのは、教育委員会の勇み足というほかありません。それとも、放課後児童クラブの有料化を進めたいがために、その突破口として利用時間の延長と有料化を提案したのかと勘繰りたくなります。いづれにしても、保護者も子どもも安心して延長時間を利用することができるやり方をもとめたいと思います。