2月議会厚生委員会「国保制度維持のために暮らしを追い詰めるのか!」

 昨日2月議会厚生員会が行われました。

4月からの県単位化という新制度のもとで、保険料と赤字解消計画が示されました。

 来年度の保険料は、一人当たり117643円。値上げ自体は認められるものではありませんが、これまでの考え方と同じ医療費増加分の1,5%増加です。
 一方、赤字解消計画というのは、収納率を88,7%として県が設定した124069円という保険料に対して、市の保険料は、収納率91.1%として保険料を低く設定しています。そのため、県に納める事業納付金と実際市が集める保険料総額の差額が赤字分ということです。
 来年度は、国費3億9千万と一般会計繰入5億円9千万で穴埋めするというのですが、平成31年からは、保険料の値上げを行うということです。これが問題です。
 計画では、31年度から36年度までは、約0,4%づつ上げ、6年後は2,3%の値上げとなっています。加入者に赤字分をかぶせて値上げをし、法定外繰り入れを減らし、36年にはゼロにするというものです。
医療費の伸びは見込まれず、これがさらに加わることとなります。

 
 県単位化後は、予算で赤字分を見込むことになりますが、これまでは決算時に市が加入者から集めきらなかった保険料の赤字の補てんとして、一般会計繰り入れを行い、今年度も補正予算で10億円を充てています。
 決算で補てんでをして、赤字を繰り越さないため、次年度の保険料に跳ね返りませんでした。市も一般会計の繰り入れが、保険料の値上げを抑えてきたと認めました。
 ところが、新制度をきっかけに、繰り入れをゼロにして加入者には赤字分を押し付け、保険料の値上げするというのです。高すぎて払えないと悲鳴が上がっているのに、大きな後退です。



 県の運営方針を錦の御旗にしますが、子育て世帯の負担を重くする賦課割合の変更や滞納者への資格証の発行は、市の主張を通してきました。そもそも、県単位化しても、市に予算や保険料を決める権限はあるのです。
市の自主性を発揮して、一般会計繰入すれば、値上げ計画を作らなくてもすみます。
(たとえば、平成31年から36年度までの値上げ分2,3%分2505円を加入者約23万人でかけても約5億7千万円。30年度からの値上げ分3,8%4291円を約23万人でかけても約9億8千円。)
これまで、平成25年までは18億円、平成27年度も14億円を一般会計から繰り入れてきましたので、できない金額ではありません。

 もちろん、国は、県単位化にあたり、全国で国保の赤字補てんの一般会計の繰り入れが3500億ある。国費を3400億円投入して赤字を解消して、一般会計の繰り入れをなくすと説明されてきました。国費の追加を求めていくのは当然です。それまでは、市の独自の保険料軽減の努力をすべきです。
 財政責任を県に任せ、一般会計繰入もなくなり、肩の荷が下りるかもしれませんが、市民は、高すぎる保険料のさらなる値上げを押し付けられ、滞納すれば容赦なく年金、給与を差し押さえられ、ますます暮らしが追い詰められていきます。


最後に、県単位化で市民にどんなメリットがあるのかと問えば、市は「皆保険の国保制度が維持できます」と答えました。市の自主性を放棄して、市民の暮らしを追い詰めて、制度が維持できればいいというのは本末転倒です。