学校統廃合と小中一貫教育全国交京都集会に参加して


地下鉄に乗り東山で下車。会場となった華頂短期大学に向かう道は、川沿いの柳が静かに揺れていました。
この日、京都は39度まで気温が上がりました。


東京文京区での統廃合と小中一貫校づくりをストップさせた保護者と地域の運動について報告がありました。

「学校をなくす、文化財(震災復興公園)をこわす、公園(新大塚公園)をつぶす」統廃合は許せないというのが合言葉だったようです。


地元、京都市東山区の統廃合と小中一貫校の計画について報告されました。東山は清水寺や八坂神社など多くの旧所名跡を誇る観光地でありながら、住民の高齢化が進んでいる町といいます。
20年前から統廃合は企てられ、小規模なのがすべて教育の困難さの原因だというような宣伝がなされ、保護者に浸透してしまいました。市当局は、同和問題を絡めるなどの仕掛けを巧妙に仕組み、地域から「統廃合して新しい学校を」という要望書を出させました。こうしたニセ住民合意を盾に推進していき、反対運動が封じ込められているという報告でした。

続いて宇治、門真、広島からの報告がありました。
小規模では、切磋琢磨できない、経費がかかりすぎるなどの宣伝文句は、どこも一諸ですが、広島のように統廃合だけという形態もあれば小中一貫校とセットという事例など導入の仕方は、それぞれ異なっていました。
大規模化の弊害、地域のコミュ二ティ崩壊を心配する保護者・地域住民が立ち上がったところは、凍結なども含め、一定導入をストップさせている事例も少なくないようです。
今後、統廃合や小中一貫教育について検証していく作業が必要であると提起されました。
(広島県呉市は、小中一貫教育の全国の先進地だそうで、この集会で初めて知りました。文部省の9年生見直し検討を受け、広島大学が4・3・2制を提唱し始めたことからはじまったとあります。07年呉市・08年府中市で小中一貫校が1校づつ開校しています。)

資料によりますと、09年度全国で526校が廃校になりました。04年に次ぐ数字で、あわせて5796校になるといいます。この10年間で小学校の13.3%、中学校で9.1%、高校の15.3%が廃校されました。
豪華な小中一貫校を建設しても、学校数を激減させて教職員の大幅な削減が可能となり、究極の教育リストラといえます。
競争主義や財政効率化の追求といった「新自由主義教育」の流れに抗していくこの運動は、この国の教育観や子ども観を一人一人に問いかけることだと思いました。
同時に、学校と地域、保護者のつながりを分断し、住民が築きあげてきた地域づくりを根こそぎ壊しかねない大きな問題をはらんでいることから、教育関係者がいかに幅広い層と手をつないで運動していくかが重要であると痛感しました。


京都市東山区 開睛小・中学校のイメージ図

開睛小・中学校工事現場。来年4月開校予定。
地下水がわき出て工事の進捗状況は、悪い。

町屋がならぶ路地も大きな道路につながっているため、スピードをだした車が我が物顔で通っていきました。

狭い路地を歩いていたら、町屋の一角に清水焼が展示されていました。