「町は、大きなホスピタル」〜NHK福祉ネットワーク〜

鳥取県日南町の国保日南病院の合言葉です。
NHKの番組で紹介されていました。

続きの言葉があります。
「道路は、病院の廊下。家は、病室」

日南町は、人口6000人、全国より30年高齢化率進んでいる町といいます。
高齢者の一人一人についてケース会議が、25年間も続けられています。
そして、住民、医療・介護関係者と行政が連携して在宅生活を支えています。

もともと病院は、昭和40年代医師不足で、患者が減り破産寸前でした。
新しく赴任した院長が、待っていても患者が来ないということで、訪問医療に転換。
病院の中で病気だけ見ていたら見えなかった暮らしが見えてきました。
お風呂にはいれない寝たきりの人には、薬より入浴が必要と訪問入浴サービスを始めました。


ユニークなのは、
一般病床は、常に緊急入院患者を受け入れるため、
療養病床は、介護者の休養や急用に対応するためのショートステイとして、
合わせて10ベットを、常に空き状態にしておくというシステム。
”空きベットは赤字の元”という常識を覆すやり方です。
訪問医療で病気を初期のうちに発見できる、
いざというとき緊急でも入院できることへの安心や信頼感が病院を支えます。

20年経常黒字が続いているといいます。


ある高齢のご夫婦が紹介されました。
半身不随の夫を介護する妻。ショートステイから帰ってきた夫は刺身に舌鼓。
「病院では刺身はでない」と笑います。
「介護はしんどいです。でも、あと何日かしたら(ショートステイに行くので)体を休めると思えば苦にならない」と妻が答えます。

「家がいい」と夫がいえば、
「おとうさんのいない生活は、考えられない。さみしいから」と妻が応じます。
病院のベットと家のベット、二つのベットが高齢の夫婦の暮らしを支えていました。(番組のナレーションで語られました。名言です!!)


町で一番大きな企業体と言えば、日南福祉会という社会福祉法人
町民184人の雇用の場となっていると胸を張る町長。

自治体は、住民福祉の機関であるという言葉を思い出させる取り組みでした。