臨時議会を終えて〜市議団見解〜

「数の力」でなく、民主的で市民の代表にふさわしい議会運営を。

最大会派内から、正副議長が誕生しました。
日本共産党市会議員団は、前期の議会で賛成多数で採決された「議会基本条例」などの「議会改革」が、改選後の議会で、より具体的にすすめていけるようにと、他会派と議長選挙に当たっての話し合いもすすめました。
議長候補者の所信表明演説では、「選挙公報を出す」という約束しかなく、日本共産党市会議員団が要望していた費用弁償の廃止・海外視察の中止などの議会改革が表明されなかったことから、市議団は白票で投票することにしました。他会派との話し合いの中で、政策協定を文書で交わすまでの取り組みができなかったことは、課題として残りました。
日本共産党市会議員団として、たとえ議会内での支持は少なくても、市議団独自の議長候補を立てて、日本共産党市会議員団の考える議会運営について、市民にきちんと表明すべきだったとも感じています。この点は、今後の議長選挙に活かしたい教訓です。

今後、正副議長を出した最大会派の思惑ひとつで、利己的な議会運営がされるのではないかと危惧しています。そのような懸念のなか、議会代表として二名の監査委員の選任同意があったのですが、その内の一人は、過去の議員活動のなかで、「子ども会連合会の旅費」と「政務調査費」の二重取りを監査から指摘され、議会内から、「不信任」が出た人物です。
昨年度の決算では、消耗品費の不適正使用が大問題となり、監査委員の資質や監査のあり方が問われていた最中です。よりにもよって「脛に傷をもつ」人物を議会の代表として、監査委員にすることは認められません。日本共産党市会議員団として、選任同意に「意義あり」との意思を本会議場で表明し、起立採決をさせて、同意できないという意思を表明しました。

「議会は賛成多数」の世界ですから、「数は力」となります。「数を力」に「全ての重要ポスト」を最大会派から出し、「甘い汁を分け合う」(中国新聞報道)というやり方は問題です。
どんな会派の議長であっても、議長は、議会の少数会派の意見をよく聞き、市民の声に耳を傾け、税金の使い方について、納税者である市民が納得できる使い方を議論し、いかにして市民への説明責任を果たていくのか、市民の付託に応える議会への改革のために力をつくすことこそ必要です。

 新議長は、所信表明のなかで、「議会改革検討委員会の常設」を約束されました。
議長選挙にあたり、公明党が最大会派の議長候補者を支持することと引き換えに、「政務調査費の廃止」を求めたとの報道がされています。「政務調査費を廃止」することは、議会の権能を議会、自らが切り捨てるものです。広報・公聴・研修・視察などの活動は議員としての資質を高め、市民の声を聞く最低限の活動です。議会改革と称して「必要不可欠な経費」の廃止を認めるわけにはいきません。
日本共産党市会議員団は、「議会検討委員会」のなかで、政務調査費の削減などの改悪で、議員活動を制限するのでなく、①海外視察の中止 ②費用弁償の廃止 ③選挙公報の配布など、市民の代表として付託に応えられる議会改革を提案し、実現にむけて奮闘したいと思います