今回の地震は、震度7を2度も記録し、熊本から大分にかけて、複数の断層に地震が連鎖した前代未聞のものといいます。
1度目の地震で被害を免れた家屋も2度目の本震で倒壊し、土砂崩れや道路の寸断などが被害を大きくしました。

連続地震の影響は大きく、耐震化を終えたはずの体育館などが危険な状態のため使用できず、避難者が1か所に集中し、過酷な生活を強いています。市役所が倒壊の危険があるため立ち入れず、混乱に拍車をかけている自治体もあります。
今朝の新聞では、家屋の48%が倒壊の危険があるといいます。
5万人に近い人が避難していますが、自宅に帰れる人はどれくらいいるのでしょうか。


2度目の地震直後、避難所では、備蓄物資もあっという間になくなり、水にも事欠きました。
また、テレビで車いすに5日間座ったままで寝たという高齢女性をうつしていました。
阪神大震災後、福祉避難所を指定してきましたが、福祉避難所があるけれど、被害を受けていたりして機能せず、結局、一般の避難所である体育館に避難を余儀なくされていました。
一部、段ボールベッドを団体が持ち込んだといいますが、とても足りる規模ではありません。
体育館には、避難者がひしめき、プライバシーの保護もあったものではありません。
建築家が作った仕切りが今回も注目されていました。


結局、健康に不安のある人や子どもを連れた人が、車の中に避難しています。
2度の地震は、屋内では眠れないという恐怖を植え付けたということも手伝いました。

あげく、水分不足なども加わり、エコノミークラス症候群を発症して命を落とす災害関連死が相次ぐことになりました。中越地震でこの危険性を指摘した医療関係者は、深刻な事態だと被災者の緊急医療調査をおこなって警鐘をならしています。今回、非常用にテントの必要性も痛感しました。


阪神大震災から21年、私たちは、東日本大震災をはじめ中越地震など大きな地震を経験しました。
震災の教訓として、遅れている学校や区役所の耐震化をすすめ、備蓄倉庫の整備や福祉避難所の指定などをおこなっていますが、今回の地震でも、同じような問題を繰りかえしています。
被害が大きくなれば、それに比例して避難者も膨れ上がるが、避難所が想定をこえて機能せず、対応しきれていません。

遅れている公共施設の耐震化を前倒しでおこなうと市長は記者会見で述べたそうです。
当然です。
その上で、大勢の被災者をどこへ避難させるのか目の前でつきつけられているという思いです。

多数の人が利用する施設や住宅の建物の耐震化は、2015年(平成27年)90%を目標にしていましたが、この4月、5年間延ばしたところです。木造住宅耐震補強工事の補助もやめていましたが、再開したようです。


全国に2000ある活断層が、今回のような地震をいつ引き起こすかわからないといいます。
広島には、己斐断層、五日市断層もあります。
地震対策について、想定や対策は甘くはないか、あらためて検証しなくてはいけません。