議会改革の視察で九州4つの県議会へ

広島市議会議会改革会議の視察のため、九州四県佐賀、鹿児島、熊本、福岡県を二日間かけて回りました。
それぞれの県議会では、議会提案による条例や政策提言を行う「政策立案推進検討委員会」を設けて、条例づくりに一定の実績があります。2008年、地方自治法の改正で議会の自主性や自立性を高めるため、協議・調整機能を持つ委員会の設置ができるようになったことから始まった取り組みです。


先日、長野県阿智村の住民自治のまちづくりの本を読みましたが、議員の仕事は、政策立案にシフトしていると書いてあり、関心がありました。
余談ですが、阿智村では長年、社会教育活動を通して、住民が学習し自治の精神を育ててきました。およそのことは、住民自身が行政や地域に働きかけて解決できる力がつきました。そのため、議員の御用聞きのような仕事がなくなったというのです。


さて、今回の視察でポイントだと思ったには、政策立案検討委員会に、少数議員の意見は、どのように反映されるのか、また、議会としてどのように結論を出していくのかという点です。
ある県議会は、5人以上を会派とし、そこから検討委員会のメンバーをだし条例案を検討します。
検討委員会は、会派以外の議員の傍聴も出来ません。少数議員は、本会議に上程された最終段階で賛否を問われるということで、検討段階ではかやの外ということです。
しかし、他の議会は、おおむね議会として政策提案するなら、全会一致を原則とすることや少数議員の意見を聞く仕組みを大事にしているという印象でした。


また、議会提案というと議員が汗をかくというイメージでしたが、検討委員会を支える議会事務局こそ重要な役割を果たすということが鮮明になりました。通常の常任委員会や特別委員会の業務をやりながら、一から条例をつくるというのは、大変な作業であろうと想像がつきます。
体制の充実が必要でしょう。増員した議会もありました。


今回の視察では、政策提案以外にも鹿児島県議会の議会を身近にする取り組みが参考になりました。
「あなたのそばの県議会」という県民と議会との意見交換会と県内視察の際は、住民団体などとの懇談も行う常任委員会の行政視察です。


最期に、政策提案活動に取り組むことについて賛成ですが、なんでもどんな条例でも作ればいいというのでは、本末転倒です。議員も何か仕事をしていますという市民向けのアリバイ作りではいけません。
また、行政のチェック機関であるという議会の役割も忘れてはいけません。

こうしたことを踏まえたうえで、ぜひ、市民の声に耳を傾けて、実りのあるものを作りたいですね。