厚生委員会報告①子どもの生活に関する実態調査の報告がありました

「4人に一人が生活困難」と新聞に大きく掲載された県の結果とおおむね同じでした。


昨年7月、広島県と一緒に、市内4000名の小学5年と中学2年の児童生徒とその保護者に生活実態や学習環境を聞く調査を行いました。子どもの貧困に関する施策を検討するためです。

①低所得②家計の逼迫③子どもの体験や所有物の欠如について聞き、2つ以上に該当する生活困窮層の世帯は、小学5年、中学2年ともに8,8%でした。いずれか1つの要素に該当する周辺層まで含めた生活困難層は、小学5年で24,8%、中学2年で26.4%になっています。
また、ひとり親世帯では、二人親世帯に比べて生活困難層が多く、小学5年でひとり親世帯の61.5%、中学2年で52.0%と深刻な状況です。


現代の貧困の問題は、家や食べ物がない絶対的な貧困ではなく、相対的貧困が問題とされています。
「よく食べてよく眠る。学校へ行く。友達付き合いをする。学校や・地域の行事に参加する。望めば進学。夢を抱く」など機会や選択肢のはく奪が問題となっています。
こうした環境で育つと子どもは孤立や無力感という形で貧困を体験し、自己肯定感が低くなり、ひいては社会的な排除につながっていきます。
日本は、OECD相対的貧困率の高く対策が求められ、子どもの貧困をなくす対策法が2013年に成立しました。


今回の調査でも所得だけに着目するのではなく、はく奪指数といわれる体験や所有物の欠如も聞いています。
私が気になったのは、医療機関への受診抑制の経験です。生活困難度が高いほど受診抑制の傾向がみられるとしています。
医療機関で自己負担金を支払うことができないと思った」と答えた小学5年で生活困窮層27,8%、周辺層を加えた生活困難層で21,9%でした。中学2年では、生活困窮層で22,3%、周辺層を加えた生活困難層で10,7%に上ります。


調査の対象だった小学5年生も中学2年生も市の子ども医療費助成制度の通院助成の対象外です。
通院での年齢拡大は待ったなしといえるのではないでしょうか。


今回の子どもの実態調査を踏まえて、これまでの広島市の子ども施策を貧困の視点で見直し、改善する作業が求められています。しかし、市としてプロジェクトを立ち上げるとか具体的な前向きの答弁はありませんでした。今後、具体的に働きかけていかなくてはなりません。