同僚議員から、「昨日の質問が中国新聞に載っていたよ」と促されたので、さっそく紙面をみると私の質問に答えた市長の答弁が載っていました。

市長「了知したくない」

先月2日、米国は、NPRという核兵器の役割を増強させる新しい核戦略を発表しました。低い爆発力の使いやすい核兵器の開発やテロなどへの報復にも核攻撃するというものです。広島市も核のない世界の実現に逆行するという市長のコメントを発表しました。一方で、日本政府からは、米国の新しい核戦略を「高く評価する」という外務大臣の談話が発表されました。
藤井議員が、2月の総括質問でこの日本政府に抗議すべきではないかと市の姿勢を聞きましたが、明確な答弁がなかったので改めて昨日の総務関係の質疑で市の姿勢をただしたものです。

米国の新しい核戦略は、核不拡散条約(NPT)にも反することと市も認めます。この新戦略を「高く評価する」とした日本政府の態度をどのように受け止めているのかと聞くのですが、良いとも悪いとも言いません。

核兵器のない世界に逆行することに、長崎市長は、「日本政府に対して追随してはならない」とコメントを出しています。かさねて、追随どころか共犯になろうとしている日本政府に広島市として容認できないともの申すべきだともとめたところ、記事のような答弁がでてきたのです。


「了知」とはよく知ることだそうです。
聞きなれない言葉に正直戸惑いました。

「国は、核兵器のない世界を目指すといっている。国に抗議するということは、国の(ダブルスタンダード)姿勢を認めることになる」
一体、市長は何が言いたいのか?
意味がわかりませんでした。

「結局、国にものを言いたくないためにごまかしたのだろう」
中森議員の言葉です。

核の傘を「必要悪」だとさらに広げようという日本政府に対して、「絶対悪」だと主張している市長が、何も言いたくないというのは、大きな矛盾です。
こうした態度に、どこまでも政府に奉仕する元官僚の姿が透けて見えたと思うのは私だけでしょうか。
それにしても、この間、被爆者とともにノーベル平和賞授賞式に参列したり、歴史的な場面に立ち会ってきたのに、「面従腹背」だったのでしょうか。

被爆地の市長の態度として恥ずかしいし、その立場に立ちきれないことは、残念でなりません。


追記
共産主義は選挙がない」
碓井議員の質問に対する市長の答弁のなかで、誤解を招くこんなくだりがありました。

共産主義は経済の仕組みの問題で、選挙制度は、政治の民主主義のあり方で、当然あるべきものです。現在、共産、社会主義を名乗る国に実質的に選挙制度がないから、同一視されますが、一言付け加えておきます。