厚生委員会②保育の必要性を判断する保護者の就労時間の下限の変更について

広島市は1983年から認可保育園に入るための条件として保護者の就労時間の下限を30時間以上としてきました。1日3時間、月10日以上というのが目安でした。
2015年から始まった子ども・子育て支援新制度で、国は就労時間の下限を「月48時間以上64時間以下」にすることをもとめ、最大10年間の経過期間を設けていました。


今回、市は、この就労時間の下限を48時間に引き上げるというものです。現在の在園児は、卒業するまで保育園を利用できることとします。


今後、こうした働きかたをしてきた保護者はどうなるのかと聞きましたが、3歳以上児は幼稚園で、未満児は保育の一時預かりで対応していくと答えました。
しかし、一時預かりは、月9日を上限としており、市の想定の就労時間で考えても預ける日数が足りません。また、費用も1回2000円以上かかります。市民税非課税世帯は免除されるようですが、費用負担の影響があるようでは困ります。


現在、就労時間の下限の変更で入園条件から外れる対象者(30時間以上48時間未満)は、100名あまりといいます。全体からは少ないといいますが、1〜2園に一人はいるということですから一定のニーズがあるのでしょう。
今後、市の示す選択肢で対応することでどのような影響があるのか注視しなくてはなりません。

厚生委員会報告①子どもの生活に関する実態調査の報告がありました

「4人に一人が生活困難」と新聞に大きく掲載された県の結果とおおむね同じでした。


昨年7月、広島県と一緒に、市内4000名の小学5年と中学2年の児童生徒とその保護者に生活実態や学習環境を聞く調査を行いました。子どもの貧困に関する施策を検討するためです。

①低所得②家計の逼迫③子どもの体験や所有物の欠如について聞き、2つ以上に該当する生活困窮層の世帯は、小学5年、中学2年ともに8,8%でした。いずれか1つの要素に該当する周辺層まで含めた生活困難層は、小学5年で24,8%、中学2年で26.4%になっています。
また、ひとり親世帯では、二人親世帯に比べて生活困難層が多く、小学5年でひとり親世帯の61.5%、中学2年で52.0%と深刻な状況です。


現代の貧困の問題は、家や食べ物がない絶対的な貧困ではなく、相対的貧困が問題とされています。
「よく食べてよく眠る。学校へ行く。友達付き合いをする。学校や・地域の行事に参加する。望めば進学。夢を抱く」など機会や選択肢のはく奪が問題となっています。
こうした環境で育つと子どもは孤立や無力感という形で貧困を体験し、自己肯定感が低くなり、ひいては社会的な排除につながっていきます。
日本は、OECD相対的貧困率の高く対策が求められ、子どもの貧困をなくす対策法が2013年に成立しました。


今回の調査でも所得だけに着目するのではなく、はく奪指数といわれる体験や所有物の欠如も聞いています。
私が気になったのは、医療機関への受診抑制の経験です。生活困難度が高いほど受診抑制の傾向がみられるとしています。
医療機関で自己負担金を支払うことができないと思った」と答えた小学5年で生活困窮層27,8%、周辺層を加えた生活困難層で21,9%でした。中学2年では、生活困窮層で22,3%、周辺層を加えた生活困難層で10,7%に上ります。


調査の対象だった小学5年生も中学2年生も市の子ども医療費助成制度の通院助成の対象外です。
通院での年齢拡大は待ったなしといえるのではないでしょうか。


今回の子どもの実態調査を踏まえて、これまでの広島市の子ども施策を貧困の視点で見直し、改善する作業が求められています。しかし、市としてプロジェクトを立ち上げるとか具体的な前向きの答弁はありませんでした。今後、具体的に働きかけていかなくてはなりません。

議会改革の視察で九州4つの県議会へ

広島市議会議会改革会議の視察のため、九州四県佐賀、鹿児島、熊本、福岡県を二日間かけて回りました。
それぞれの県議会では、議会提案による条例や政策提言を行う「政策立案推進検討委員会」を設けて、条例づくりに一定の実績があります。2008年、地方自治法の改正で議会の自主性や自立性を高めるため、協議・調整機能を持つ委員会の設置ができるようになったことから始まった取り組みです。


先日、長野県阿智村の住民自治のまちづくりの本を読みましたが、議員の仕事は、政策立案にシフトしていると書いてあり、関心がありました。
余談ですが、阿智村では長年、社会教育活動を通して、住民が学習し自治の精神を育ててきました。およそのことは、住民自身が行政や地域に働きかけて解決できる力がつきました。そのため、議員の御用聞きのような仕事がなくなったというのです。


さて、今回の視察でポイントだと思ったには、政策立案検討委員会に、少数議員の意見は、どのように反映されるのか、また、議会としてどのように結論を出していくのかという点です。
ある県議会は、5人以上を会派とし、そこから検討委員会のメンバーをだし条例案を検討します。
検討委員会は、会派以外の議員の傍聴も出来ません。少数議員は、本会議に上程された最終段階で賛否を問われるということで、検討段階ではかやの外ということです。
しかし、他の議会は、おおむね議会として政策提案するなら、全会一致を原則とすることや少数議員の意見を聞く仕組みを大事にしているという印象でした。


また、議会提案というと議員が汗をかくというイメージでしたが、検討委員会を支える議会事務局こそ重要な役割を果たすということが鮮明になりました。通常の常任委員会や特別委員会の業務をやりながら、一から条例をつくるというのは、大変な作業であろうと想像がつきます。
体制の充実が必要でしょう。増員した議会もありました。


今回の視察では、政策提案以外にも鹿児島県議会の議会を身近にする取り組みが参考になりました。
「あなたのそばの県議会」という県民と議会との意見交換会と県内視察の際は、住民団体などとの懇談も行う常任委員会の行政視察です。


最期に、政策提案活動に取り組むことについて賛成ですが、なんでもどんな条例でも作ればいいというのでは、本末転倒です。議員も何か仕事をしていますという市民向けのアリバイ作りではいけません。
また、行政のチェック機関であるという議会の役割も忘れてはいけません。

こうしたことを踏まえたうえで、ぜひ、市民の声に耳を傾けて、実りのあるものを作りたいですね。

生活保護への偏見ではありませんか。

与党だけが審議を進める国会厚生労働委員会参考人大阪市長が、生活保護利用者に対して、医療費窓口一部負担や生活扶助現物支給を求めたという記事を見ました。
偏見と差別に基づく首長の生活保護パッシングが、先進国の国会で許されるのかという思いです。

翻って本市でも、20日に厚生委員会が開かれ、生活保護利用者への就労支援と医療扶助適正化の取り組みが報告されました。

まず、就労支援事業について、今年度、自己肯定感の乏しい引きこもりなどのケースを対象に就労の前段階の訓練を拡充するというのが、目を引きました。ひきこもりなどのケースまで、就労の対象とするのかと驚きました。課長さんの答弁では、就労を必ずしも目的としない社会的自立を目指すとしています。

しかし、ひきこもりなどのケースへの支援は、相当専門性も必要ですし、伴奏型の息の長い支援が求められると聞きます。
まずは、ひきこもり支援の全体的な対策を立てることが先ではないでしょうか。これは本当に急がれます。
そのうえで、生活保護行政でどうかかわるかという話にしないとうまくいかないのではないかという意見を述べました。


続いて、生活保護費の45.8%を占めている医療扶助の適正化つまり削減をすすめるといいます。これまでも、他の議員から、医者代がかからないから過剰受診があるのではないかということが言われてきました。
本当でしょうか。


まず、国保加入者に比べて検診率も低く、生活習慣病の率も高いことから健康管理支援をおこなうとしています。
次に、頻回受診と重複受診を削減する指導を行い、後発医薬品の使用促進に取り組むといいます。

健康管理支援は、国保加入者との比較データからも必要性が認められますが、頻回と重複受診・投薬が生活保護利用者に多いというデータは示されていません。後発医薬品の利用に至っては、生保利用者のほうが高いと答弁されました。
答弁の中で、頻回受診は、特殊なケースであり、重複受診・投薬などは、医療機関に問題があるのではというような説明でした。現場から問題だという声はあがっていないと言いました。



厚生労働省の示す受診率のデータは、現役世代で生保利用者が高い傾向ですが、一方で病院にかからない世代でもあります。逆に高齢者や子どもの受診率が低いのが気になります。

そもそも、生活保護費のうち医療扶助が多いのは当たり前です。病気になり職も失う、医療費がかさみ貯金も底をついて、生活保護を利用するケースが多いからです。
精神疾患など長期の慢性病にり患した人も少なくないでしょう。

今回の報告にあったひきこもりケースへの就労前支援や医療扶助削減も経済財政会議で議論されていることから、政府を挙げて取り組もうとしています。

「若いのに働かない」
「医療費がタダだから、医療扶助が多い」

こうした生活保護の偏見を政府自らが助長させて、保護費の削減を狙っているとしか思えません。

政府がないといえばあると疑え⁉

3月2日、朝日新聞森友学園財務省改ざん問題の報道を皮切りに、政府が国会でついたウソが次々と暴かれ、国民をだましてきたことが明らかになっています。


                      しんぶん赤旗より
国会中継を見ています。

今朝の新聞は、加計学園問題は、首相案件だという愛媛県の文書が出てきました。加計ありきだったことを示すものです。首相に仕える秘書官の発言だと愛媛県の職員が記録しているのです。この文書について、県知事も真面目な職員が書いたと嘘ではないことを会見で暗に述べています。

安倍首相は「私が関与したと言った人は一人もいない」としてきましたが、今回のことにどう応えるのかが問われます。文科省前川喜平事務次官は10日、記者団に対し、首相秘書官は首相の名代であり、首相の了承と報告ぬきに官邸で面会することはありえないと指摘しています。

さらに、首相が、この問題を知ったのは、昨年1月だと国会で答弁していますが、今回の文書は、その2年前の2015年4月に作成され、安倍首相が加計理事長と食事をして、獣医学部に新設について話していたことが加計学園の発言として面会記録に残されています。

これまで、国会でも秘書官は「記憶にありません」と答弁しましたが、それで済ますわけにはいきません。

今週になっても、森友学園問題で国が学園側に口裏合わせを依頼していたことが発覚。ないないと言ってきた自衛隊南スーダンイラクの日報もでてきた。政府の発表する「ない」というものは「ある」と疑ってかからなくてはならない。
もう疑惑は、底無しですね。

そもそも、自分が国民に選ばれた信託を受けたことを忘れて、自分のための政治をおこなっているのではありませんか。これが許されるなら日本は民主主義国ではありません。
こんな人に日本のかじ取りを任せることはできません。即刻退場してもらいましょう。
 

佐川氏証人喚問の証言はひどいですね。

昨日は、国会で注目の佐川前国税長官の証人喚問がありました。
森友公文書改ざんで理財局の責任者であった佐川氏は、真実を話すべき責任があります。
ところが、刑事訴追をされるので話せないと証言拒否を繰り返しました。
数えた人によると50回も繰り返されたと言います。
しかも、公文書改ざんに直接関係ない質問にも答えない不誠実な態度でした。また、自分自身も関与していないと部下の作成した答弁を読んだだけと下に責任を押し付ける始末です。上からの指示で改竄させられたと自殺した職員もいるのに、やりきれない思いがしました。
昨年の国会で「文書はない、破棄した」とウソの答弁を繰り返してきたことも謝罪しますが、言い逃ればかりでした。

しかし、はっきりと答弁したことがあります。自民党議員の質問に「安倍夫妻や官邸の関与ははない」と答えました。
これは、誰もがおかしいと感じました。
自分は改ざんについて関与していない人がなぜ、安倍夫妻の関与がないとわかるのですか。関係ないとは、関与している人がいう話です。

今回の証人喚問で、自民党議員の質問も佐川氏も庇おうとしているのは、安倍夫妻であるこの事は明らかではありませんか。ますます、関与が疑われます。

予算議会が終わりました!

予算議会も終わりました。

前日に議案が出て、急きょ反対討論をしなくてはならなくなり、あわてました。
結果、67議案中、15議案に反対しました。

新年度予算は、ワンランク上をめざすという市長の号令で、公債費もふくれる中で、新たな大型開発事業へ踏み込もうとしています。
一方で、市民の暮らしを守る予算にしわ寄せが及んでいます。市民の暮らしは、実質賃金や年金の低下が続く中、格差と貧困がますます拡大しています。国保料、介護保険料の引き上げと負担増となれば、払いたくても払えない世帯は増えるばかりです。低年金で暮らす高齢者や子育て世代への支援の要望はますます高くなっているにもかかわらず、本予算案はこうした市民の要望にまともに応えたものになっていません。
とりわけ、子どもの予算をもっと増やすべきです。いじめによる自殺という痛ましい事件を2度と起こさないためにもいじめのない学校の実現は喫緊の課題です。教員がひとり一人に寄り添った教育ができる35人学級をすすめるべきです。
 少子高齢化に向けては、住民同士の助け合いばかり強調しますが、共生社会推進の名で、自治体の公的責任を後退させることがあってはなりません。

今日は、団会議で議会報告を議論しました。編集してもらう共同サポートさんにも来てもらい、なんとか紙面が完成しました。

私の原稿は、最後の段階で全面書き換えをしました。もうこれが最後よと何度も念を押されました。いつものことです。